枡野俊明さんは以前にここでご紹介した禅宗のご住職であり、有名な庭園デザイナーさんです。
枡野俊明著「限りなくシンプルに、豊かに暮らす」より
【簡素な暮らしを心がける】
簡素な生活。
いっさいの無駄を省き、ほんとうに必要な物だけで生活をする。
それこそが美しさであると禅は教えてくれています。
現代は物が溢れている時代です。
ほんとうに必要な物でなくても、見ると欲しくなって買ってしまう。
まだ家の中にたくさんあるにもかかわらず、なくなったときのことを考えて買い足しておく。
その結果家の中に物が溢れ、簡素とは程遠い生活を送っている人も多いのではないでしょうか。
「簡素」という言葉と「質素」という言葉があります。
この二つの言葉は、似ているように見えますが、まったく別のことです。
「簡素」というのは、無駄なものをそぎ落していくということ。
何が自分にとってほんとうに必要なのかを見極めるということです。
たとえばお茶を飲むことが好きな人であれば、湯呑みにも目が行くでしょう。
多少高価なものであっても、気に入った湯呑みでお茶を飲むことで心が豊かになります。
そういう人は高価な湯呑みを買えばいい。
そしてそれを大切に使うことです。
安価な湯呑みをたくさん買うのではなく、一生使えるような品を求める。
これが「簡素な生活」ということなのです。
一方の「質素」というのは、価値の低いものを使うということです。
中には湯呑みなどどんなものでもいい。
お茶さえ飲めればそれでいい。
そう考える人もいるでしょう。
そんな人がわざわざ高価な湯呑みを買う必要はありません。
こだわりがないのであれば、安価なもので十分間に合います。
自分が価値を求めないものは質素なものでいい。
自分の生活の中で、何を簡素にして何を質素にするのか。
それを見分ける目を養うことです。
自分にとって必要なものは何か。
今持っているもので不要なものは何か。
そして自分の心をほんとうに満たしてくれるものは何か。
常にそういう意識をもって暮していれば、家の中は自然とすっきりとしてくるでしょう。
(了)
自分の心をほんとうに満たしてくれるものは何か・・・か。
ほんとにその通りなんだよなぁ。。。
もう弟子入りしたくなるくらいに(到底ついてはいけないと思うけど笑)、、、
じつに的確なことをおっしゃる。
上記の文章は、心に刺さりますので。
今日は、僕のくだらないつぶやきよりも、このブログの読者さんに有益ないい文章をお届けしたく、そのまま転載紹介させていただきました。
それでは今日の一曲。
ベートーベン 交響曲第六番「田園」
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