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親子丼という名前

若いころに、イギリスの人たちと話すことがあって。 そんときの思い出なんですけど。 日本の庶民料理にはどんなものがあるのか? みたいな話になったわけです。 そこで、僕は「丼」を紹介しました。 日本はコメが主食だから、丼、という料理ジャンルがある、と。 丼というのは、ごはんの上に食材を乗っける料理で。 バリエーションは豊富、 天丼、カツ丼、牛丼、ネギトロ丼、うな丼、などいっぱいあるんだぞ、と。 とくに牛丼は、日本ではマクドナルドのようにファーストフードチェーン店になっている、 一方で、うな丼は、鰻という高級食材な魚が使われていて、高価な丼なんだ、 ...etc そうやって説明しました。 イギリス人がこれにたいへんに興味を示し。 では、天丼とはなにか?、カツ丼ってなんだ?、とひとつひとつ聞いてくるので。 ひとつひとつ説明していきました。 天丼は、てんぷら、が、ごはんの上に乗っている。 カツ丼は、トンカツという食材がごはんの上に乗っている、と ...etc イギリス人たちはひとしきり感心したあと、 では、お前は何丼が一番好きなんだ?、と聞かれたので。 俺が一番好きなのは、親子丼かなあ、と答えたわけです。 すると。 『その、OYAKO、というのは、どんな食材なんだ?』 と言うので・・・ いや、オヤコは食材じゃない、親と子供っていう意味なんだ、と答えたら・・・ 『じゃあ、その親子丼というのは家族の記念日かなにかに食べるお祝いの料理なのか?』 ・・・そうか、そういう発想になってしまうのか・・・ 違う、親子丼というのは、鶏肉と卵を使った料理だ、と言うと。 『鶏肉?じゃあどうして鶏丼、チキン丼、と呼ばないのか?』 いやいや、たしかにそうなんだけど・・・苦笑 だから! 鶏肉が親で、卵が子でしょ? だから親子丼って言うの! と答えたところ・・・ ここで、イギリス人たちが爆笑したのです。 『すごいネーミングセンスだ、すばらしい』 『日本人にもジョーク精神ってあるんだな』 ジョーク?ってわけじゃないと思うけどなあ、と思いつつ。 日本人にとっては、おもしろくもなんともない「親子丼」というネーミングが、 イギリスのひとにとっては、そんなにおもしろいのか、、、と、 むしろ驚いたことを覚えています。 後に、この話がある漫画でネタとして登場し、僕は驚くことになります。 浦澤直樹の「モンスター」という作品のなかで、 主人公の日本人がヨーロッパのひとに「親子丼」を説明し、 外国人たちがゲラゲラ笑う、というシーンが出てくるのです。 欧米のひとにとっては、きっと親子丼って、すごく奇妙なネーミングなんでしょうねえ・・・ 日本人は、なんとも思わねえけどなあ。。。 文化の違いって、こういうことなんでしょう。 こないだ、親子丼を食べました。 それで、この親子丼の話を思い出したしだい。 やっぱりうまいなあ、日本の親子丼は!笑

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